電界放出形走査電子顕微鏡 JSM-IT800(SHL)
JSM-IT800(SHL)は、日本電子社製の電界放出形走査電子顕微鏡(FESEM)の上位機種であり、試料表面の高分解能観察と元素分析の研究に利用される。電子銃をコンデンサーレンズの内部に組み込むことで、電子ビームを超低エミッタンスで発生することができる。この高輝度化によって、高い照射電流量(100nA@5kV)、球面収差の低減、高速高精度のEDS元素分析などが実現されている。また、対物レンズを電磁場重畳型とすることで、絶縁体?磁性体観察の際の空間分解能が向上している。さらに、焦点調整(AF)、非点収差補正(AS)やコントラスト輝度調整(ACB)などの電子光学制御機能が著しく改善され、ユーザーが測定条件を変えても、短時間で安定な観察に自動復帰することができる。
電界放出形走査電子顕微鏡本体
オートファインコーター及び
試料回転傾斜装置
試料冷却ステージ
機器名?型式 | 電界放出形走査電子顕微鏡 JSM-IT800(SHL) |
---|---|
メーカー名 | 日本電子(株) |
納入会社名 | 日本電子(株) |
納入会社名 | 見附 孝一郎(所属)理?分子フォトニクス研究室(内線1643) |
設置場所 | 機器分析センター111室 |
文部科学省助成機器 | ○ |
納入年月日 | 2021年3月24日 |
測定責任者 |
1. 本機の特色と性能
分解能: 0.5 nm @ 15kV;0.9 nm @ 0.5kV
倍率: 200万倍(写真倍率);548万倍(表示倍率)
加速電圧: 0.01 ~ 30 kV
照射電流: 数pA ~ 500 nA @ 30kV;数pA ~ 100 nA @ 5kV
検出器: 二次電子検出器(SED);上方ハイブリッド検出器(UHD) 上方電子検出器(UED);反射電子検出器(BED)
倍率: 200万倍(写真倍率);548万倍(表示倍率)
加速電圧: 0.01 ~ 30 kV
照射電流: 数pA ~ 500 nA @ 30kV;数pA ~ 100 nA @ 5kV
検出器: 二次電子検出器(SED);上方ハイブリッド検出器(UHD) 上方電子検出器(UED);反射電子検出器(BED)
試料移動: X方向70 mm;Y方向50 mm;Z方向1 ~ 41 mm; 傾斜-5~70°;回転360°
試料サイズ(ドローアウト): 最大径 170 mm;最大高さ45 mm
試料交換室経由: 受口径 12.5 または32 mmφ
試料バイアス電位: 最大5 kV
試料サイズ(ドローアウト): 最大径 170 mm;最大高さ45 mm
試料交換室経由: 受口径 12.5 または32 mmφ
試料バイアス電位: 最大5 kV
低真空モード
分解能 1.3 nm @ 15kV, 50 Pa;圧力範囲 10 Pa ~ 300 Pa
検出器 低真空二次電子検出器(LVSED);低真空反射電子検出器(LVBED)
分解能 1.3 nm @ 15kV, 50 Pa;圧力範囲 10 Pa ~ 300 Pa
検出器 低真空二次電子検出器(LVSED);低真空反射電子検出器(LVBED)
2. 付属装置とその用途
- エネルギー分散型X線分析装置(EDS)
分析モード:スペクトル分析、線分析、元素マップ
スペクトル分析:定性分析、ビジュアルピークID、標準物質無し定量分析
元素マップ:最大解像度 4096×3072;波形分離機能、
深さ方向ラインプロファイル表示機能など - 試料冷却ステージ(Deben MK3 ULTRA Coolstage)
含水試料の水分蒸発を抑えた観察を行うためには、試料を冷却して観察することが効果的です。水分の多い食品?生物組織?熱ダメージに弱い試料の観察に適しています。
温度範囲:-50℃~50℃※
最小温度表示桁数:0.1℃
温度安定性:±0.2℃
※温度範囲は設定圧力により変動する。 - オートファインコーター(JEC-3000FC)
走査電子顕微鏡の試料作製装置として、生物などの非導電性試料への各種金属コーティングを短時間に効率的に行えるイオンスパッター装置です。
スパッタリング方式:マグネトロン形
使用圧力:20 Pa以下
ターゲット:Pt、Au、Au-Pd、Pt-Pd
試料台:64mmφ - 試料回転傾斜装置(EC-30020RTS)
オートファインコーター(JEC-3000FC)用のオプションで試料の凹凸による回り込み不足を改善することができます。
回転速度:50±10 rpm(モーター駆動)
傾斜角度:水平~90°(手動)
試料ホルダー:12.5mmφ、4個用/32mmφ、1個用
3. 使用規定および使用上の注意
- 操作開始時は、まず液晶ディスプレイをONしてください。続いて、SEMCenterアイコンをダブルクリックして、各自のアカウントを選択し必要ならパスワードを入れてログオンしてください。試料を所定の手順で取り付けて、画像の観察を始めてください。
- 画像観察が終了したら、観察画面上の観察ボタンをクリックして、白色の状態(HT OFF)にしてください。また、加速電圧を3kVに設定して下さい。次に「試料交換位置」ボタンをクリックして青色点灯させてください。そして、試料を所定の手順で取り出してください。装置使用終了時には、試料交換室のEVACランプが点灯している状態にして下さい。最後にSEMCenterをログオフして液晶ディスプレイの電源をOFFしてください。
- 試料が試料ホルダーのシリンダー上面からはみ出して上に出ている場合は、試料挿入時に表示される「試料設定」ウィンドウ内の「試料高さ補正」のスライダーを動かして、はみ出し分の大きさを入力してください。なお、はみ出し分の許容最大値は30 mmです。
- 操作パネル上の焦点、コントラスト、輝度の3つの調節つまみは、軽く押すことで粗調?微調を切り替えることができます。
- 試料の取り付け?取り出し後、真空度の安定に時間がかかる場合は実験センター事務室まで連絡して下さい。
- 測定終了後、装置本体及び制御PCの電源は切らないで下さい。
- 常備以外の試料載台の使用希望者は実験センター事務室まで連絡して下さい。
- 試料冷却ステージを利用希望者は、必ず講習を受講したものと操作して下さい。
4. 使用者小委員会の構成
現在のところ設定していない。