014_赤ビーツに含まれる赤い色素の効果とは?
これまで、赤ビーツがアスリートのパフォーマンスを向上させるのか、赤ビーツに含まれる硝酸塩は体に害を及ぼすのか、などについて説明してきました。今回は、赤ビーツに含まれる色素に関するお話です。
赤ビーツは野菜です。その中には、ベタレインと呼ばれる色素が含まれています。ベタレインは大きく分けて、ベタシアニンとベタキサンチンに分類されます。
赤紫色を呈するベタシアニンと黄色を呈するベタキサンチンが混在することで、植物体の色が赤~橙色に発色することが知られており、ビーツ以外にも様々な園芸植物に含まれています(1)。
ベタシアニンの中では、ベタニンが有名であり、天然の色素であることから食品添加物として利用されています。ベタニンは、光、熱、酸素の影響を受け、分解されることから、冷凍食品や乾燥食品、賞味期限の短い食品などに用いられているようです。
赤ビーツは野菜です。その中には、ベタレインと呼ばれる色素が含まれています。ベタレインは大きく分けて、ベタシアニンとベタキサンチンに分類されます。
赤紫色を呈するベタシアニンと黄色を呈するベタキサンチンが混在することで、植物体の色が赤~橙色に発色することが知られており、ビーツ以外にも様々な園芸植物に含まれています(1)。
ベタシアニンの中では、ベタニンが有名であり、天然の色素であることから食品添加物として利用されています。ベタニンは、光、熱、酸素の影響を受け、分解されることから、冷凍食品や乾燥食品、賞味期限の短い食品などに用いられているようです。
このような色素には色を呈する他に、様々な効果があります。
Sutariyaらは、糖尿病性腎症のモデル動物を用いた実験において、ベタニンを投与した結果、病態の指標となるタンパク尿、高血糖、血清クレアチニン、尿素窒素の値を改善させ、腎臓組織の損傷を抑制したと報告しています。(2)
Cliffordraらは、ベタシアニン?ベタキサンチン?ベタニンを含むビートルートジュースの飲用実験において、強い抗酸化作用があることを報告しています。(3)
Thomasらは、対象者に赤ビーツジュース500mL(ベタレインを362.7mg含有)を飲んでもらい、1-2時間間隔で採尿し、尿中のベタレイン濃度を測定しています。その結果、個人差を考慮して摂取2時間後が最も高く、時間を追うごとに減少していきます。最も高い値で、約80μg/hrとのことでした(4)。
また、Wiczkowskiらも同様の実験を行った結果、ベタシアニンが体外に排泄されるのは、2-4時間が最も高い濃度であると報告しています。(5)
これらの結果から、色素は吸収されても長い間体内に留まっているわけではなさそうです。また、赤ビーツを食べた後、排泄される尿が赤くなるのは、この論文からもベタニンが関係していると言えそうです。
Sutariyaらは、糖尿病性腎症のモデル動物を用いた実験において、ベタニンを投与した結果、病態の指標となるタンパク尿、高血糖、血清クレアチニン、尿素窒素の値を改善させ、腎臓組織の損傷を抑制したと報告しています。(2)
Cliffordraらは、ベタシアニン?ベタキサンチン?ベタニンを含むビートルートジュースの飲用実験において、強い抗酸化作用があることを報告しています。(3)
Thomasらは、対象者に赤ビーツジュース500mL(ベタレインを362.7mg含有)を飲んでもらい、1-2時間間隔で採尿し、尿中のベタレイン濃度を測定しています。その結果、個人差を考慮して摂取2時間後が最も高く、時間を追うごとに減少していきます。最も高い値で、約80μg/hrとのことでした(4)。
また、Wiczkowskiらも同様の実験を行った結果、ベタシアニンが体外に排泄されるのは、2-4時間が最も高い濃度であると報告しています。(5)
これらの結果から、色素は吸収されても長い間体内に留まっているわけではなさそうです。また、赤ビーツを食べた後、排泄される尿が赤くなるのは、この論文からもベタニンが関係していると言えそうです。
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硝酸塩に関する研究報告数と異なり、まだまだ数は少ないですが、色素自体にも健康に寄与する作用がある可能性があるため、今後の研究結果が待たれます。
参考文献
1.国立研究開発法人 農業?食品産業技術総合研究機構HP
http://www.naro.affrc.go.jp/archive/flower/kiso/color_shikiso/contents/betarein.html
2.Sutariya B et al, J Ethnopharmacol. 23: 198:432-443, 2017
3.Clifford T et al, Eur J Nutr. 56(3): 1245-1254, 2017
4.Wiczkowski W et al, Food Res Int. 108: 530-538, 2018
5.Thomas Frank et al, Pharmacol Res. 52(4): 290-7, 2005
参考文献
1.国立研究開発法人 農業?食品産業技術総合研究機構HP
http://www.naro.affrc.go.jp/archive/flower/kiso/color_shikiso/contents/betarein.html
2.Sutariya B et al, J Ethnopharmacol. 23: 198:432-443, 2017
3.Clifford T et al, Eur J Nutr. 56(3): 1245-1254, 2017
4.Wiczkowski W et al, Food Res Int. 108: 530-538, 2018
5.Thomas Frank et al, Pharmacol Res. 52(4): 290-7, 2005
今回の執筆者
関口 祐介 助教(栄養教育学研究室)