男子駅伝部

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- Kentaro Hisadomi
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- Masahiro Minai
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- HIdeki Shibayma(HOUYHNHNM)
【CROSS TALK】 男子駅伝部
選手やコーチ、監督。彼らのパフォーマンスを「食」から支える医療栄養学科の学生、そして部の活動を支えるサポーター…。城西大学のスポーツは、個ではなく、集団の力で強くなってきました。そんな我らが城西大が有する競合チームの主将とコーチにインタビューする本連載。なぜその競技に魅了されたのか? 今シーズンの特徴は? チームが目指すゴールとは? 彼らの想いとともに、部の実情に迫ります。今回は、男子駅伝部の野村颯斗主将と五十嵐真悟コーチが登場。
INDEX
力をあわせて上位を目指す達成感
陸上競技を始めたのはいつですか?

野村颯斗主将(以下、野村) 9歳の時、親にマラソン大会に半強制的に出るように言われたんですけど、走ってみたら意外と楽しくて。それがきっかけで走るようになりました。その1年後くらいに、並行して野球や水泳も始めました。
初めて長距離を走ったときはどんな気持ちでしたか?
野村 最初は辛いイメージだったのですが、次第に「前を走るランナーを抜くことが楽しい!」と思ったのが印象的でした。
五十嵐コーチが陸上を始めたきっかけを教えてください。

五十嵐真悟コーチ(以下、五十嵐)
自分も9歳くらいのときですね。通っていた小学校の課外活動で水泳やスキーとともに陸上があり、それがきっかけで始めました。
最初は短距離からスタートして中三まで続けていましたが、思うような結果が出ず…。駅伝を走ったところ、いい成績を収めることができました。長距離走は辛いけど、自分が活躍できるのは短距離ではなく長距離だと、そのときに確信しました。
駅伝に出合ったのはいつですか?
野村 10歳のときですね。陸上クラブに入って、市の駅伝大会を走るようになりました。
野村 かなり早いね。そのころから駅伝を走ってるんだ。自分は中学に入ると秋に毎年駅伝大会があり、短距離もそれに駆り出されていて、それが最初の駅伝競技です。中学一年生のときですね。
これまで何人かの著名な長距離ランナーをインタビューしたことがありますが、中学に陸上部が無くて、仕方なく他の部活動に入部したという選手は少なくなかったです。お二人は中学のときは陸上部でしたか?
五十嵐 自分の中学には陸上部があったので入部し、さきほど述べたように短距離をしていました。
野村 自分は中学に陸上部がなかったので野球部でした。入学して2か月ほどは自分なりに考えて陸上競技の練習をしたのですが、上手くいかなかったので諦め、一時は陸上が嫌に感じていましたね。中学のころは野球部に籍を置きながら、秋冬に地区で駅伝大会があるので、メンバーに選ばれて走っていました。
駅伝を走ってみて、一人で走るときとは異なったチームワークのようなものを感じることができましたか?
野村 普段は違う部活動のメンバーが、力をあわせて上位を目指すというのは一体感があって楽しいなと。
最先端のトレーニングと食とチームワーク
城西大学に入ろうと思った一番の決め手は何でしたか?
野村 高校時代は思うような成績を残せなかったのですが、有難いことに櫛部監督に勧誘してもらうことができました。自分と同じ山口県出身の先輩が多いというのも、城西大学に入りたいと思った決め手のひとつです。
五十嵐 私が入学した当時は駅伝部が発足してあまり時間が経過していない頃で、当時の監督の平塚先生と現在の監督の櫛部先生がスタートさせたことで話題になっていました。自分が高校3年生のときに城西大学が箱根駅伝に初出場し、平塚先生に勧誘していただいたこともあり、「新しいチームで駅伝を走るのはいいかも!」と思い、城西大学への入学を決めました。
城西大学の駅伝部の特色を挙げるとしたら、どのような点にあると思いますか?
野村 とにかく、部内の雰囲気がいいこと。厳しすぎず緩すぎないのが城西大学駅伝部の特色だと思います。


五十嵐 特色を一言で語るのは難しいですね(笑)。あえて挙げるなら櫛部監督による科学的なトレーニングを取り入れるなど、他の大学がまだ行っていない新しいことを積極的に行っている点でしょうか。もちろん地道な練習も行っていますが、他に先駆けて革新的なトレーニングを行っているのはアピールポイントであり、高校生を勧誘する際にも大きな武器になっていると思います。
医療栄養学科が学内にあることにより、他大学よりも食に関しては進んでいる印象があります。
五十嵐 駅伝部部長の真野先生(医療栄養学科教授)の繋がりで「新田ゼラチン」にスポンサーになっていただきました。コラーゲンの研究では業界をリードしており、コラーゲンの摂取が筋腱に作用して怪我の予防になるのではという研究に駅伝部も関わらせていただき、コラーゲン製品を提供していただいています。これは一例ですが、医療栄養学科があることにより、駅伝部のメリットになっていることは多々あるかと思います。
合宿所の食事は美味しいですか?
野村 とても美味しいです!
五十嵐 食事に関しては学食にも入っている「エームサービス株式会社」が提供してくれていますので、美味しいだけでなく栄養バランスも優れたメニューを駅伝部の部員は食べることができています。
城西大学駅伝部のアピールポイントはどのような点ですか?
五十嵐 キャプテンはどう思う?


野村 さきほど五十嵐コーチもおっしゃっていたのですが、トレーニング方法、設備をはじめとして最新なものを追求している点だと思います。あとはシューズやサプリメントといった自分だけでは得ることのできない情報が提供されることも、城西大学駅伝部の大きな魅力だと思います。
五十嵐 キャプテンも指摘してくれた通り、低酸素室を始めとした最新のトレーニング設備を備えているところがひとつ。大学でそうした設備を備えているところは少ないです。それに加えて、「このサプリメントを摂取すると造血に効果的である」というような栄養学のことも現場レベルで学ぶことができるので、高校時代は思うような成績を残せなかったけど、将来的に実業団選手を目指すような、大学においてステップアップを目指したいランナーには特にオススメな大学だと自負しています。
あとはキャンパスにトラックやトレーニングルームが隣接しているのもアピールポイントですよね?他の大学だとキャンパスと練習場の移動に時間を割かないといけないことも珍しくないので。
五十嵐 そうですね。勉強からトラック練習、筋力トレーニング、低酸素トレーニングまでワンキャンパスで完結するというのも城西大学の魅力だと思います。
個人的に城西大学駅伝部OBを何人か知っていますが、そのいずれもが自主性に長けていて、事業をスタートして成功しています。駅伝部の練習も自主性を大切にしているのでしょうか?
野村 ポイント練習以外、ジョグなどは各自が練習プログラムを決めて行います。キャンパス周辺にトラック、クロスカントリー、低酸素ルームが備わっているという環境も、選手に自主性が育つ理由なのではと思います。
五十嵐 ポイント練習以外は選手が各々プログラムを組んで練習するのが城西大学駅伝部のスタイル。自分は選手の練習をしっかりとチェックして、フォームやコンディションつくりなどのアドバイスをするよう心がけています。
キャプテンとして、いいチームにするために実践していることはありますか?
野村 自分は言葉で指示を出すのはあまり得意ではないので、率先して練習して、その練習量などでチームをリードするように意識しています。出雲駅伝の好結果もあり、チームの雰囲気はとてもいいです。
コーチは、選手たちを伸ばすために心がけていることはありますか?

五十嵐 練習メニューなど、主なトレーニングプログラムは櫛部先生が作成しており、自分はあくまでアシスタントの立場。ですが、第三者的な視点で選手たちを観察して、「他大学も含めて今はこのくらいの位置だからもう少し頑張ろう!」といったかたちで選手にやる気を起こすようなアドバイスをするように心がけています。
野村キャプテンにとって、五十嵐コーチはどんな存在ですか?
野村 いろいろ相談しやすいコーチです。
五十嵐 本当に?(笑)
野村 はい(笑)。本音でズバズバ言ってもらえるのが有難いです。
箱根駅伝100回大会に向けて
今年の城西大学駅伝部の雰囲気はどのような感じですか?
野村 去年は予選会を通過できなかった次の年ということもあり、副キャプテンとしてチームをまとめようという意識が強かったですが、今年はシード権も獲得しているので、個々の自主性にある程度任せるような雰囲気があります。
城西大学駅伝部のチームカラーは以前から変わっていませんか?

五十嵐 以前のチームから大きく変わったということはないと思いますが、今年は部員同士の仲はいいかと。4年生の仲が悪いとチーム全体がギスギスしてしまうことがありますが、それはないですね。4年生が団結してチームをリードしてくれています。
出雲駅伝で3位になったことに関して、特に思っていることはありますか?
野村 8位以内が最低の目標でしたが、これまで上に見ていた青山学院、国学院、中央といった強豪校に勝てたのは自信になり、次に繋がると思いました。
五十嵐 8位以内を当初の目標としつつ、櫛部監督は取材などで5位にはなれそうで、上手くいけば3位もあるのでは!? と内心思っていたようです。選手もそれは感じていたと思います。
次の箱根駅伝は記念すべき100回大会となりますが、意気込みを教えてください。
野村 チームとしての目標は3位以内。個人的な意気込みとしては、去年1区を走って区間11位だったので、今年は区間3位、最低でも5位で通過してチームに貢献したいと思います。
五十嵐 選手たちが3位という目標を立てて頑張っているのは、本当に頼もしいです。
最後に、走ることの楽しさを教えてください。

野村 タイムや順位が明確に出る部分、練習すれば競技力も向上するところ。あと、箱根駅伝のような注目される試合も多くあり、それにチャレンジできるという点にもやりがいを感じています。
五十嵐
よく言われることですが、まずは走り終わったあとの達成感。それと、これまで何度かフルマラソンを走っていますが、未知への挑戦というような部分も楽しさだと思います。トラックレースでもマラソンでも、いままでにない速いペースで走っていると、「このペースで最後まで持つのかな!?」というようなワクワク感があります。
レースの途中で一旦ペースが落ちても、気持ちの持ち方次第でペースの維持?回復ができることもあり、そういった自分のメンタルや考え方ひとつで、身体がこうも変わるのか?という体験は本当に興味深い。走ることの楽しさは無限にあると思います。
なるほど、走ることはその人のレベルを問わずやっぱり楽しいですよね。今日は貴重なお時間を割いていただき本当にありがとうございました!